フランスのオンラインショップ動向
ヨーロッパには、まず楽天市場やYahoo!ショッピングに代表されるような大きなネットショッピングモールというものが、アマゾン以外にありません。
正確にはあることはありますが、アマゾン消費者はECサイト利用者のうちほぼ50%以上を占めています。
こちらは2020年のフランスのECサイトのTOP 10リストです。
Top 10 e-commerce sites in France 2020
参考)
UK(2020)
イタリア(2020)
ドイツ(2019)
スペイン(2019)
フランスではECサイトの数はこのコロナの間に激増しました。
実店舗では営業停止や制限が設けられ、独自のECサイトを製作して、消費者にそこで商品をネット注文してもらい、店舗にピックアップに来てもらうという”Click & Collect” スタイルがここ1年で定着しました。これはかなり革命的なことです。
そういった意味ではECサイトの数は増えたのですが、これらを露出させるオンラインプラットフォームの選択が大変限られているのです。
消費者にとっては、日本のようにショッピングモールで商品を選び、しかも同商品を扱う色々な店を選べるといった楽しみが少なく、選択方法が限られている…
オンライン上に露出して知ってもらわないことには、消費者は残念ながら店の存在を知ることなく、買い物ができません。
露出の問題をクリアするために、個々の店がインスタグラムやFaceBook等のSNSを駆使し集客しています。
そこで「アマゾンで店舗を持つ」という選択が考えられます。
BtoB を通り越してBtoCというビジネスモデルですね。
日本の多くのメーカー、ブランド様が独自ECサイトを製作して、ヨーロッパのエンドユーザーに販売し届けるといった試みをされています。もちろん成功されている例も多いです。
細かな注文を個別に日本から発送するという対応が可能であれば、広告を打ったり様々な方法を駆使して検索時で上位ページ表示を狙い、売上をどんどん伸ばすことが可能です。
逆に、そうではない場合は、いくら見栄えのするECサイトを準備したところで、現地の消費者には届きません。適所で露出できていなければ、そして実際に人の目に触れなければ、そのECサイトは存在していないのと同じです。
ですので、ネットショッピングモールの選択肢が限られたフランスでは、アマゾンに店舗を持って露出を図るという方法も考えられるというわけです。
日本からヨーロッパへ直接個別に商品を発送しても、送料を抑えられる場合もあるのですが、現地の物流システムを使うというのは手っ取り早い方法です。
つまり、現地のアマゾンに登録しているショップに委託して販売するという方法です。
フランスのアマゾンでショップを持つと、近隣諸国(ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ等)にても販売可能です。
初めてフランス・ヨーロッパ市場にて販売する際、「実際売れるのか?まずは試してみたい」と言った場合の市場調査の方法の一つとして考えてみる価値ありです。(これについては改めて記事にしたいと思います)
そして、「コロナ禍でリアル展示会ではバイヤーは買い付けができない! だからこれからは全てデジタルで取引をするようになる! 」というのは個人的には疑問です。
なぜなら、リアル展示会にもオンラインショップのバイヤーも、実際の商品を手にして販売可能かを見極めるためにもれなく足を運ぶからです。
まとめ:
越境ECサイトの第一条件として、海外への個別発送の対応が可能であること。
オンライン露出をしないことには、ECサイトは消費者に見つけてもらえません。
消費者に見つけてもらうためには?
広告、SNSを駆使して露出を図り、そして現地に強いショッピングモールに登録すること。
現地のパートナーを見つけて物流を任せることも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
確かに小売店の立場は、コロナ禍で脅かされているのは事実です。
ただし、BtoBモデルはそういきなりは無くなりません。
メーカー、ブランド様にとっては、BtoBと並行してBtoCにも力を入れる大きなチャンスではあります。
フランスをはじめヨーロッパでは、これまで展示会をメインとして買い付けをしてきた多くのバイヤーが、1日も早くリアル展示会が開催されるのを心待ちにしています。
展示会が復活した際はかなりの盛り上がりを見せるでしょう。
消費者の購買意欲は全開です。
だからこそ、今この時期に多種のディストリビューションチャンネルをおさえることは大切だと言えます。
最新記事 by 青木千映 (全て見る)
- 日本の化粧品ブランドのフランス進出に必要なこと - 2024年8月17日
- ウェルビーイング – Well-being – - 2023年12月10日
- 2023年トレンド:不動のJAPANDI - 2023年6月19日
お気軽にお問い合わせください
この記事へのコメントはありません。